成年後見制度は、認知症や知的障害などによって判断能力が不十分になってしまったり、その方の財産を保護するための制度です。
この制度は、法定後見制度と任意後見制度の2種類に分かれています。
今回は、それぞれの制度について後見人が選任される過程をご紹介します。
■法定後見制度
法定後見制度は、本人の判断能力が不十分になった後に家庭裁判所によって成年後見人等が選任され、その権限は法律によって定められています。
後見人等になれない人は、未成年者や破産者が該当しますが、法定後見監督人等になることができない人は未成年者と破産者に加え、後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹等の親族が該当します。
後見の申立を本人、配偶者、4親等以内の親族等が行うことができますが、家庭裁判所に後見開始申立の手続きを行います。
そして、家庭裁判所による成年後見人の候補者や本人との面談などを行い、要件が満たされていると認められた場合には、申立人と後見人に決定内容を審判書によって通知します。
後見人はその後1か月以内に本人の財産目録を作成し、家庭裁判所に提出します。
■任意後見制度
任意後見制度は、本人が任意後見人となる方や委任する内容を事前に任意後見契約によって定め、本人の判断能力が不十分になった後に任意後見人が委任された内容の事務を行います。
具体的には、将来後見人となる人と任意後見契約を予め結んでおきます。
そして、この契約は公正証書を作成することが法律によって定められているため、契約内容が決まり次第、公正証書を作成します。
任意後見制度も法定後見制度同様に、任意後見監督人等は配偶者などの親族がなることができません。
そして、本人の判断能力が不十分になった際には、申立人が家庭裁判所に任意後見監督人の選任の審判を申し立てます。
この任意後見監督人の選任をもって、任意後見が開始されることとなります。
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